吹っ切れていたはずなのに・・・・
10年前、僕は同じ信州の有名な湖の湖畔にある准看護学校の学生で、一緒に仕事をしている女性に(Sさん)特別な感情を抱くようになってしまった。
はじめて彼女に出会った時は、歳もお互いにだいぶ離れていたので、特別に意識していなかったが・・・・・
(気持ちを伝えたエピソード、その後については、後ほど・・・)
10年の歳月が経ち、とっくに吹っ切れていたつもりだったが・・・
先月11月28日に初めて、Sさんの夢を見た。
真っ白いプールサイドで彼女は服を破かれて泣いていた。確か・・・何か人型の黒い影が彼女を覆うとしていた。
僕は黒い影を追い払って彼女の背中に覆い被さり、肩を抱きしめて泣きながら言った。
「どんな事があっても守るから・・・」
「ボクが・・・ずっと支えるから・・・」
自分でも驚いた。
ボクは今まで女性にこんなことを言った事がなかった・・・
胸の鼓動は激しく鳴っていた。
彼女に、高い天井に掛けてあったオレンジとグレーの模様のガウンを着せた。
彼女は言った。
「ありがとう、もう大丈夫だから・・・」
それからの記憶は抜け落ちているのだが、突き抜けるような高い天井を見ると、色んなガウンがかかっていたのだ。
彼女の方に、ふと視線を戻すと姿がない。
不思議なのだ。
彼女の姿が見えないのに・・・・傍らにSさんの存在を感じる・・・・
しかし姿は見えないのだ・・・・
不思議な不安を感じたまま、目が覚めた。
ボクは胸が引き裂かれたように痛くてドキドキしていた。
今までこんな事は、体験した事はなかった。
なんで今になって・・・あの人の夢を見たのだろう?
しかも誰かを守る夢なんて初めて見た・・・・
それから胸が苦しくて何度も中途覚醒。朝にはヘトヘトに疲れ切っていた。
Sさんに嫌われてから10年。
それから他の女性数人から告白されたりもしたが、どうしてもその気になれず、かと言って特別に好きな人もできなかった。自分が精神的に成長したせいだと思っていた。
実際は10年前からボクは、全く成長しておらず、Sさんを吹っ切れたのではなく想いを抑え込んでいたのだ・・・・