祈り
ぼくも一応、キリスト教徒なので祈る。
Sさんに逢いたいと神様に祈ろうと.
その時・・・・
ぼくの内側から何かが、問いかけるのです・・・・
本当に祈るべき事は他にないのか・・・・?
身勝手な祈り・・・
Sさんは関わるのを望んでいないかも知れないのに・・・
Sさんのことは、神様に委ねよう・・・・
み旨なら・・・また逢う機会もあるでしょう・・・・
Sさんにとっても幸せに繋がるならば・・・・
主の御心こそ常に最善のもの・・・・
今、祈るべき事は・・・・
すると・・・
想い出したのです。
実は・・・・私たちの病棟に・・・
転倒が原因で慢性硬膜下血腫になった、僕と同世代のKさんと言う患者さんがいるのです。
人懐っこくて面白い患者さんだったんですが・・・
おそらく・・・数ヶ月前の転倒が原因でしょうか。
転倒した当初、CTには異常は見られなかったのです。
しかし・・・
一月ほど前から徐々に首が右側に傾き始め・・・
再び、CTで頭部撮影・・・血腫が広範囲に広がりで脳が圧迫されていました。
今では寝たきりになリ、血腫に脳が圧迫され話すこともできなくなり、食事も出来ず24時間の持続点滴で命を繋いでいるのです。
家族は・・・Kさんのお母さんとお兄さんは・・・・
積極的な治療を望んでいないとの事でした。
ぼくは祈りました。
彼女が以前のように元気になるように・・・・
以前の元気な声が聞けますように・・・
一昨日前の準夜勤で出勤した時です。
祈りは聞き届けられました。
今日、「発語があった」と・・・・
実際、僕が彼女の点滴を交換する際、小さい声で発語が・・・
受け答えもはっきり・・・・
もう、本当に嬉しかったんです。
懐かしい声で、小さい声で笑ってるんです。
「今日、もう一人夜勤、誰〜?」
「あ〜Cさん、怖い〜」
ああ・・・Kさんだ・・・・
今日の昼。お試しでゼリーを試しましたが、まだ無理だったようです。
これから少しずつでも、回復して・・・また元気な姿を見せて欲しいのです。