hoshidamayaのブログ

僕の看護学生時代、信州での失恋体験談です。

M神父様

M神父様は、80代の大柄なスペイン人イエズス会士だ。


ボクは若い頃、10年程、東京に住んでいた。


シゴト帰りに、よく四谷のイグナチオ教会へ通っていたものだった。


よく夕方6時のミサに与り、だいたい月4回くらい、ミサの前に告解にあずかっていた。


その告解で、罪の告白を聴いてくださったのがM神父だった。


口調は普段は優しく、時に厳しく的確なアドバイスをくださった。
人気のある神父様だった。知る限りでは、悪く言う人はいなかった。
ほぼ毎日、夕方、教会の入り口近くの告解室におられ、告解室の扉の前には、罪の告白に
きた多国籍の信者が大勢並んでいた。




そのうち東京を引き払い、九州など転々とした後、実家に帰った・・・
地元で特養の介護士をしながら、ボーッとして過ごしていた。
それからも、たまに東京へ行った際、イグナチオ教会のM神父様の所へ告解に行っていた。


しかし・・・・
ある時、告解での神父様がボクに仰った事に納得できず・・・多分、神父様にも
それが伝わっただろう・・・ボクの態度にそれが、表れていただろう・・・




それを最期に、やがて神父様とも疎遠になった。
時々、東京に来る機会があっても、告解室に並ぶ事はなかった・・・







しばらく後、地元を出て、僕は信州の准看の学校へ入った。
色々あったが、卒業までこぎつけた。
そして2月20日、資格試験を受けることになった。


試験が終わった帰り道、
ボクは試験結果に不満で、ずっとイライラしていた。


その時、ボクの脳裏にM神父様の顔が、浮かび上がってきた・・・


「あなた、やれることはやりました・・・全て結果は神様に委ねなさい・・」


やや厳しい口調で、M神父様が仰るのだ。






妄想か・・・でも、不思議なくらい、気持ちが軽くなる・・・・


上手く説明できないけど、胸の奥に、何か暖かいものが・・・・・



数日後、ボクは、ネットで神父様が帰天されたのを知った・・・・




2月20日の早朝、黙想会の準備中に倒れ、そのまま意識が戻らず、
翌日の午後、息を引き取ったとの事だった・・・・



神父様・・・・



ずっと、気にかけて下さっていたのだ・・・・
本当に
我が儘なボクに・・・・




見にきて下さったのだ・・・・

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