hoshidamayaのブログ

僕の看護学生時代、信州での失恋体験談です。

薬味を作るんです。

隔離室でガンガンと、音を鳴らして看護師を呼ぶAさん。


あの日も「看護師さ〜ん」と絶叫してガンガンドアを叩いていた。


行って部屋を開けると、Aさんは言った。




「ここに・・埋蔵金・・・6億が埋まってるんです・・・あなたにあげます。」



また、ある時は、こう言っていた。



「薬味をお願いします。ネギ・・・あるでしょ。縦に刻んで、薬味を作るんです・・・」
さらに彼はこう言った。


「そば屋をやるんです。今のうちに用意するんです・・・店舗持ってます」


「ふーん・・・そうなの」


「握手・・・」Aさんは手を僕の方に伸ばした・・・




僕は彼の手を握りしめた。

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